2015年8月25日

分からん

分からんことが多すぎる。

パイプ椅子によく間違えられる可愛い妻のお言葉。おとん、あれ、どこやねん?おとん、これ、ここ置いとくでえ。おとん、済んだか?おとん、私のジュース、食べたやろ!おとん、テレビのやつ、こんまいやつ、新聞の下に乗ってへんか?おとん、冷蔵庫のふた、開いたままちゃうか?おとん、目え、かいねん、湯う沸かしてバンドエイド取ってんか。おとん、このゴキブリフラフラしとる、あんた、屁えこいたやろ。おとん、車、動かへん、ガソリン腐ってるか熱中症ちゃうか?

他人なら七人殺しをして差し上げる。

兄貴の療育手帳と障害者手帳の住所変更の手続き。それに伴う福祉サービスの手続き、保険証、預金通帳のコピーの送付。全て旧住所の役所に送らねばならない。何でも最初にサービスを受け付けた役所が全てやるらしい。法律で決まっているらしい。現住所にまとめてくれと言ったら
あかん、と言われた。ほんなら私が東京に住んでたら、ジンバブエに住んでたら、と聞くと、はい、おんなじことです、と言われた。法律変えてくれと言ったら、国会議員になりなはれ、と言われた。国会議員に立候補しても私も家族も私には投票しないし、私は一夫多妻のバーレーンに帰化する。保育園の待機児童、高齢化対策など、もちろん大事なのは分かるがマイナーな、選挙権はあっても投票行動が出来ない重度知的しょうがい者なんかはどうでもええみたいである。よう分からん。

レストラン、メシ屋で食べる前に、キャーカワイー、と叫ぶお嬢様をよく見かける。ヤバイー、もある。メシはうまそー、オイシソー、だろう。私がシェフならフォークで突き刺す。スマホで撮りまくるパターンもよく見かける。肉、冷めるやんけ、と思い、見ていると冷めきったメシと肉を食い、やっぱりうまいわあ、とわめき、マスター、うまかったわあ、と叫んでおられる。うまいはずないやろ。まず、写真撮って構いませんか?と尋ね、うまい、ではなく美味しかったです、ごちそうさまでした、と、叫ばすに笑顔と共に囁くのが礼儀であろう。私がシェフならナイフでお嬢様を三枚にさばき、ああ、ヤバいことしてもうたあ、と叫ぶ。ますます分からん。

2015年8月18日

商品券

神戸市のプレミアム商品券、1冊10000円で12000円分、一人5冊まで。10時から発売で一番乗りは夜明け前。セミの脱皮をまるまる見て初めての交尾を見届けることが出来る。

私は朝、9時前に到着。すでにラジオ体操が終わった自治会の会長、役員さんご夫婦などなど、長蛇の列。もうあかんともう一つの販売店に行くと、整理券は配布済み。諦めて戻ってみると列はさら長くなっている。私の後ろにも次々と並び出す。

ほとんどの人がスマホで連絡を取り合い、どこが行けるとか、あかんとかやっている。

私も負けじとガラケーを開くが家族は全員仕事中。仕方なく数少ないヒマな女友達とバカ話。

電池が切れたので周りを見渡すと、おるわおるわ、近所のおばさん、おじさん、ばあさん、じいさん。夏休みなので学生、子ども連れ。中には乳飲み子二人抱えた奥さん。確かに三人なら15万円使える。しかし、炎天下、冷房の効いたスーパーで100円の一人一つ限りの卵を、私ら三人やでえ、と並ぶのとは訳が違う。うちわとほ乳瓶を手に、熱中症と10時まで戦う。命がけである。

誰かが、早よ整理券配れやとつぶやいた。私もそう思う。誰かが、こら神戸市、もっと発行せんかい、その通りだ。こら、パチンコみたいに18才未満は禁止にせい、のおじさんは笑いを取っていたが子連れの奥さんにメンチを切られていた。どこが景気回復やねん、のおばさんは拍手をもらっていた。

とにかくほとんどが一人5万円。人数かける5万円。大金持ちは並ばない。私も並びたくない。震災の炊き出し以来、並ぶのは嫌いだ。けれど背に腹は帰られない。そこら中からかき集めた5万円。みんなそうだ。今、ここで爆弾テロを起こせば混乱に乗じて何100万円かは手に入る。ただ実行すれば死刑間違いナシ、巻き添えをくって生き残っても、顔見知りだらけなので香典が高くつく。

ヒマなのでそんなことを考えているとスマホで頭をどつかれた。私の不徳のいたすところと、ふと見れば、初めて見る自撮り棒、はるか後ろから責めて来た。私の他にも被害者数人。こら、謝らんかいと、みんな叫んだが自撮り女は口をポカーンと開け、ヘラヘラ笑いガリガリ君を食べていたのでほっておいた。

しばらくして整理券を配り始め、自撮り女の前で終了。私たちは滑り込みセーフ。自撮り女はアウト。自撮り女は泣き叫び、二本目のガリガリ君を振り回していたが、みんなはその勇ましい姿をスマホで撮り、それぞれの友達に流したり、YouTubeに流したりしていた。

夏休みの絵日記に描く小学生もいるだろうなあ。特選取ってどこかに貼りだしてほしいなあ。

暑い夏です。

2015年8月14日

久し振り

久し振りに淡路島の室津へ。ちりめんじゃこのような目をした美しすぎる妻の母親の故郷である。

親戚の経営する海の家でくつろいでいると、久し振りで〜す、とやって来たのは妻の又従兄弟、小学生だった彼はおっさんになり、娘が二人、三人ともちりめんじゃこの目をしていた。

そう言えば、そこら中にちりめんじゃこの目がうじゃうじゃいる。ほぼ全て親戚で嫁いだ女の子以外は苗字は限られている。そう言えばいとこ達の小学生時代の名簿は同姓のオンパレードだった。

改めて見渡すとクリッとした可愛い瞳をしているのは私を含め、彼らの配偶者である。私の子ども二人もちりめんじゃこ、甥っ子姪っ子、ちりめんじゃこ、浜の見張りのアルバイト、ちりめんじゃこ、かき氷の姉ちゃん、ちりめんじゃこ、あちこちにちりめんじゃこ、便所に行けばちりめんじゃこ、廊下の隅にちりめんじゃこ。

そう言えば、漁師のおじさんたち、朝早くからちりめんじゃこを捕りに行く。

ちりめんじゃこのおじさんたちの捕るちりめんじゃこ、美味しいですよ。もちろん、他にも河津えび、車海老、カレイ、ひらめなどなど、絶品です。是非お召し上がり下さいませ。海も綺麗で瀬戸内に沈む夕日も最高です。もちろん、民宿、ちりめんじゃこのおばさんたちのおもてなしも心がこもっています。

遊びに行くなら是非、淡路島の室津へ。皆様の使ってくれた貴重なお金は室津を潤し、周り回って皆様をそして私を潤してくれます。